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第五話
著者:shauna


 この状況において、最悪の結果を考えるドローア・・・


 まさか・・・まさか・・・




 「脱ぎま〜す!!!」



 やっぱりか!!!

 「ちょ!!ちょっとシルフィリア!!」

 慌てて止めようとしたのはアリエスだった。流石婚約者。でもそれに対し、皆が猛反対する。
 ってか男集!!!特にファルカス!!!ダメだろ!!!!! 

 ダメだ・・・どう考えてもこの状況はヤバ過ぎる。

 2人を除いて全員が完全に正気を失っている。

 でもって、その内の2人はその気になれば、この宿泊施設どころか、二人第二次封魔戦争を実現できるぐらいの力を持っているわけで・・・地球の知識を比喩して言うのなら、それはまさに安全装置の外れた核ミサイルの発射スイッチが幼稚園のお遊戯場にある気分だった。

 そして、それと同じ気分を味わっているのはドローアだけで無く、アリエスも同じことだった。

 なので、

 「皆、そろそろお酒控えめにした方がいいんじゃないかな〜って・・・」

 「アリエスさま〜・・・」

 スッとシルフィリアが顔を近づける。

 そして焦点の怪しい半目を後数十pの距離まで近づけて・・・


 「今日は好きなだけ飲んで良いって言いましたよね〜・・・」
 当然、文字では表現できないが、呂律なんて回って無い。
 
 「え・・・えっと・・・確かにそんな感じのことを言ったけどさ・・・」

 「酔って、しどけない君も好きだっていったじゃないですか・・・」

 「いや!!!それは言ってな―」
 「・・・・・・(ものすごく怖い眼でアリエスを睨みつけるシルフィリア)」
 「―ないと思うけど・・・」

 うわっ凄い無言の圧力(プレッシャー)・・・

 アリエスもどうやらシルフィリアの信管を抜かない様に必死らしい。

 それはもう・・・何がトリガーになるか分かったものではないのだから・・・


 「ってことで脱ぎま〜す!!!」

 「だからシルフィーそれは!!!」「シルフィリア様待って!!!」

 慌てているのはアリエスとドローアだけで、他は意外と大喜びだったりする。特にアスロックとファルカス辺りが・・・

 「いいぞ〜!!!脱げ脱げ〜!!!」

 「おい!!!時切機どこだ!!時切機!!!」

 「ちょっとアスロック!!!」「ファルも!!!」

 その2人の言葉に流石に怒ったのがミーティアとサーラだった。

 やっぱり信頼している人や恋人が他の女の人の裸見たいとか言うセクハラ間違いなしの行動は容認できないらしい・・・やっぱり、酔っても女の子同士・・・これで何とかシルフィリアが脱ぐのだけは・・・

 「私達の親友撮るならまず私達に話を通しなさい!!!(ミーティアです)」
 「ちなみに一枚1000リーラね!!!(サーラです)」

 前言撤回。間違いなく完全に精神がどっかへ飛んでっちゃってる。


 ってかもう何が何だか・・・


 「ダメだよシルフィー!!!!」


 とりあえずこの場でたった二人の素面の片方であるアリエスが義務として止めに入る。
 だが、さらに徳利を直接煽り、その中身を一気に飲み干した完全酔っ払いのシルフィリアにそんな理屈が通用するはずもない。


 「駄目ですかぁ〜?」

 もう目がヤバいぐらいトロトロになって、しかも肩とか腿とかがちょっと表現してはいけない具合になっていて・・・

 立ち上がるも、その体は右へ左へとゆらゆら揺れてるし・・・

 「どうしてですかぁ〜?」

 「どうしてって・・・いい?そもそも嫁入り前の娘さんが・・・」

 と妙に爺クサイ説明を展開するアリエス。

 それをしっかりと最後まで聞き、しばらく顎に人差し指を当てて考えていたシルフィリアであるが・・・

 




 

 「なら、婿入り前の息子さんならいいんですねぇ〜・・・」





 え?・・・どんな理屈?

 「は?」

 「アリエス様〜・・・」


 まるで甘える仔猫のようにアリエスに抱きつくシルフィリア。

 「私の代わりにアリエス様が脱げば、総じて問題なしですぅ〜」

 「ちょ!!!ちょっと!!!」

 「大丈夫ですぅ・・・主人は使用人を勝手に脱がして良いと、六法全書にも書かれてますからぁ〜・・・」
 「いや!!!絶対に書いてないから!!!そもそも、許可なく人のこと脱がすのはダメに決まってるから!!!」
 「なら、ことわります〜・・・アリエス様、脱がしちゃいますね。」
 「いや!!!ダメだって!!!!」


 「いや、問題ないわよ。」

 その一言は、あらぬ所から飛んできた。

 今まで暫く2人のことをデレデレしながら見守っていた残りの酔っ払い一同。その中でも唯一、座布団を数枚重ねてその上に胡坐をかいて座っていたミーティアが片手にどこから出したのか扇を持ちながら2人を差しながら言っているのだ。

 「なぜなら、ここは温泉!!温泉で裸なのは何も不思議なことではない!!!」
 
 パチパチと拍手喝采する酔っ払い一同。

 「それもそうですね〜・・・っていうか、よければミーティアさんも一緒に脱がしませんか〜?」

 「おぉ!!!グッドアイデアよ!!シルフィリア様!!!(何度も言いますが、ミーティアの発言です。)」

 「いや!!!そこは同意しちゃダメだから!!!!」

 反論するアリエスだが、その体は2人の女の子に抑えつけられている上に、常に貴族であることを誇りとし、紳士であろうと努力する彼が、女の子に手を上げることなどできるはずもない。

 それに加えて、アリエスの正論など聞いちゃいない・・・いや、聞こえちゃいない少女2人は一切手を止める気配もなく・・・
 おまけにシルフィリアは魔法で腕力を馬車が持ち上げられるぐらいまで高めているわけで・・・
 
 
 「ええい!!アリエス様!!大人しくしろ!!!(ミーティアです)」

 「そうですよ〜・・・人生諦めが肝心ですよぉ〜?」

 「大丈夫!!痛いのは最初だけだから!!!」

 「それにとっても優しくしますからぁ〜」

 「えへへへへへへ」

 「む〜・・・帯が固結びで解きにくいですぅ〜・・・」

 「おー・・・流石、剣聖・・・胸のあたりとか意外と逞しいわね・・・」


 「ちょ!!!たっ助けて!!!」


 必死に助けを求めるアリエスだが、ドローアはどうしていいか分からずオロオロしているし、辺りを見回しても、助けてくれそうな人なんて誰も・・・

 いや!!一人居た!!!

 



 「セレナ様!!!助けて下さい!!!」


 月を見ながら、一人、杯を傾けていたセレナにアリエスは必死の形相で助けを求める。

 いわば、彼女のこの地獄とも思える状況において、唯一の良識派と思われる最後の希望。

 その彼女にアリエスは救いを求めて手を伸ばしたのだ。


 だが・・・



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